西久大運輸倉庫(福岡市)は2月14日、福岡県うきは市、トルビズオンと、ドローンとEV(電気自動車)車を活用した医薬品配送の実証実験を2月20日に行うと発表した。
実証は、薬局間での医薬品の在庫移動を想定し、廃棄薬の削減や薬剤師の業務効率化、ガソリン車を使わず、CO2排出量の削減を目的に実施。空路のドローンと、陸路のEV車の配送を組み合わせた交通渋滞やCO2排出量を抑制する新しい物流インフラを地域に構築する。
具体的には、うきは市体育センターを営業所と見立て、集荷先薬局のオメガ薬局吉井店に河川上空を通りドローンで集荷を実施。その後、荷物を積んだドローンが営業所に着陸、人口密集地の市街地にある配送先薬局のしらかべ調剤薬局に営業所からEV車に積み替えを行い、陸路で配送先に医薬品を届ける。
ドローン配送は、BtoCや緊急時を想定した実証実験が数多く実施されているが、西久大運輸倉庫では、BtoBの定期配送として行い、事業ベースとして継続的で実用可能な配送手段の実現につなげる。
今回の実証実験は、2022年10月21日に西久大運輸倉庫、トルビズオン、うきは市で締結した「ドローンを活用した持続可能な地域づくりに関する連携協定」の第二弾。実証を通じて、西久大運輸倉庫とトルビズオンは、ドローンを使った新規事業の創出や既存事業の拡張と地域貢献、うきは市は、過疎地域に住む地域住民の新たな物流網の開拓と災害対策の強化したい狙い。
今後は、実証の結果を踏まえ、西久大運輸倉庫の支店をハブ拠点として、ドローン飛行経路を最適化。配送モデルを薬局以外のスーパーや家電量販店、飲食店などの商品に横展開することで、配送頻度を増やす。
また、顧客敷地内にドローンポートを設置し、BtoBの集荷もドローンに置き換えてさらに配送頻度を増やし、採算が困難な地域でも様々な荷物やサービスを重ねてビジネスとして自走させる考え。加えて、現在、各支店や集荷先までの集荷を担うトラックなどをドローンやEV車両に置き換えて、CO2排出量を削減する。さらに、隣接する近隣市町村にサービスを拡大し、広域連携を進めていく計画。