トルビズオン、長崎で波佐見焼の生地をドローン配送する実証実験

ドローンと配送した波佐見焼の生地

トルビズオン(福岡市)は2月27日、シェアリングエコノミーや農作物加工品販売を手掛けるミライステラス(長崎・佐世保市)と、長崎県波佐見町で、波佐見焼の生地をドローンで配送する実証実験を、2月16日に実施したと発表した。

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ニシトウから高山へ輸送する様子

実証実験では,焼き物用素焼き生地販売を行うニシトウで生産された波佐見焼の生地を、ドローンを使って駐車場から、陶磁器製造の高山に配送した。輸送距離は0.2kmで、輸送重量は800g。ニシトウ、高山に加え、波佐見町役場、長崎総合科学大学が実験に協力した。実験の結果、今回は短距離間の飛行だったが、ドローンを使って生地を破損せずに輸送できることを検証できた。

ミライステラスは、棚田の文化や景色を次世代につなげるための取り組みの中でドローンを活用した棚田の空を使った取り組みも行っている。同社は、ドローンを活用し、多くの人々に役立てる事業ができないかと考え、長崎県の伝統工芸品の波佐見焼に着目。

波佐見焼の生産が、初期段階の工程でできる生地を窯元に運ぶ作業が不可欠な一方で、輸送時の振動で磁器割れやドライバー不足などに加え、運送業の2024年問題などもあることから、今回、こうした課題の解決でドローン活用の有効性を検証する実証実験を企画した。

ミライステラスでは「今回の実証実験では着陸による生地への割れなどの影響もなく無事輸送が完了した。最近では25kg程度まで運べる大型のドローンが出てきており、物流としても新しい展開につながることを期待している」(前田社長)としている。

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実証実験当日の様子

トルビズオンでは今後、飛行距離を伸ばしたフライトを実施し、ドローン活用した脱炭素の効果も検証す予定。また、そのほかの長崎の地元企業と連携し、同エリア内でドローンの物流網を構築して地域の課題解決につなげていく考え。