イオン、福岡でデパレアームロボやAGVなど導入の自動倉庫「イオン福岡XD」稼働

イオン福岡XD
イオン福岡XD

イオンは7月22日、イオン九州、イオングローバルSCM、コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)と、自動倉庫「イオン福岡XD」の稼働を24日から開始すると発表した。

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(左上から右回りに)パレット自動倉庫やデパレアームロボット、AI遠隔デパレアームロボットと遠隔無人フォークリフト、AGV活用の自動搬送機

新拠点ではパレット自動倉庫やデパレアームロボット、AI(人工知能)遠隔デパレアームロボット、遠隔無人フォークリフト(AGF)、AGV(無人搬送車)を使った自動搬送機を導入し物流作業の自動化を図った。

また、「物流効率化」「車両電動化」「地域社会貢献」の区分を設定し、最新技術を使った物流課題解決の取り組みを実施。「物流効率化」では、総走行距離の10%短縮を掲げ、CJPTが持つTPS(トヨタ生産方式)のノウハウを活用、店舗と物流一体の効率追求、物流センター作業改善による積載効率の向上や、物流平準化などで車両効率の向上を図った。

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最適配送計画システムの配車風景(左)と配車計画イメージ

また、データと自動化技術を活用し、リアルタイム情報を活用した最適配送計画、自動化や省力化設備で作業負担の軽減と生産性向上といった物流効率化にも着手。総走行距離10%短縮と出荷能力30%向上を実現する。

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燃料電池トラック

「車両電動化」では、全車両の15%を目標に電動車へのシフトを進める。燃料電池(FC)小型トラック導入などの導入で物流課題解決とカーボンニュートラルを両立し、2030年までにCO2排出量35%を削減する。

「地域社会貢献」については、仕入れ先と情報連携による物流の効率、バース予約システム導入で荷待ち時間の削減、幹線物流でのダブル連結トラックの活用、共同輸送を活用したドライバー不足解消を実施する。

イオンとCJPTは、「フェーズ1」で、2021年4月からイオングローバルSCMの物流拠点「南大阪RDC」で協業を開始。イオンの小売業の物流ノウハウと、CJPのTPSを組み合わせ、モノの流れの見える化や整流化を目指し、物流センター内作業の改善で積載率を向上し、リアルタイムデータを活用した最適配送を行った結果、トラックの総走行距離は10%の効率化、CO2排出量も10%を削減した。

2022年9月からは「フェーズ2」で、イオン九州と、活動範囲を卸事業者や仕入れ先まで広げ、川上から川下まで一気通貫での輸配送を効率化。今回の「イオン福岡XD」では、「フェーズ3」として、これまでの取り組みを集約し、物流効率化の効果拡大につなげる。

イオンでは今後、「仕入れ先とのデータ連係による物流の効率化」「幹線物流(長距離輸送)でのダブル連結トラック活用と共同輸送」などの取り組みをサプライチェーン(SCM)全体に広げ、全国で物流課題解決と脱炭素の両立を目指すとしている。