藤田医科大学、川崎重工業、SEQSENSEは10日、屋内配送向けサービスロボット「FORRO(フォーロ)」を活用した配送サービスを藤田医科大学病院で開始したと発表した。医療従事者の負担軽減と業務効率化を目指す取り組みで正式導入に向けたトライアルで運用する。
配送サービスは、3台の「FORRO」が24時間態勢で検体配送や薬剤配送業務を行う。大学病院A棟の9階、10階、11階と、臨床検査部・薬剤部の間で稼働。検体配送・薬剤搬送のユースケースで運用する。実サービスに近い形での業務を通じて、配送の頻度や量、ほかの医療従事者への影響を確認し、藤田医科大学病院でのサービスロボットの活用方法について検討する。
FORROを活用した配送サービスは、広範囲をセンシングし、外来患者様が多い日中の混雑時間帯でも安全に走行できるなどの24時間安定稼働、ロボット専用のWi-Fi設置が不要で初期導入費用を大幅に抑制できるなどの簡単導入が可能。また、容量77Lのセキュリティロック付き荷室を搭載し広範囲を巡回、複数箇所でのタスク実行、効率的なルートで安全・スピーディーに移動が特長となっている。
ロボットは、スタッフステーション・薬剤部・検査部に設置されたスマートフォンで所定の位置に呼び出したり、配送状況を確認したり、到着時の通知を受けたりすることが可能。シンプルなユーザーインターフェースを採用し、直観的な操作ができるようにした。
今回のトライアルサービスでは、川崎重工、SEQSENSE、近計システム(大阪市)、デジタル・インフォメーション・テクノロジー(東京都中央区)が共同開発したプラットフォームクラウドシステム、ロボット連動ユニットを使用し、エレベータや自動ドアと連携。高い応答速度で周囲の医療従事者にストレスを与えない走行を実現したという。
サービスは、屋内配送の実装に必要な機能や、エレベータや自動ドアなど院内設備との調整までをオールインワンのパッケージ化しており、導入する病院の導入や運用にかかる調整の手間やコストを抑制できるとしている。3社は今後、藤田医科大学病院での本格導入を目指すとともに、社会課題に対する効果的なソリューションとして事業を進めていく計画。