レナトスロボティクスは12月9日、東京大学発のAI(人工知能)ロボットスタートアップのトラストスミス(東京・文京区)からAIロボットアーム制御技術「ADAM SMITH(アダムスミス)」を買収し、ロボット無人ピッキングシステムの開発を開始したと発表した。
レナトスロボティクスは、自動倉庫「RENATUS(レナトス)を提供。自動倉庫で、EC(電子商取引)向け発送センターの全作業量のうち40~60%%を占める「棚から商品を引き出す工程」「商品を荷合わせる工程」を自動化する一方、棚から引き出された商品を出荷箱に移す「ピッキング工程」は人による作業に依存していた。
今回、「ADAM SMITH」を手に入れたことで、AIロボットアームにピッキング工程を担わせ、梱包(こんぽう)までの出荷作業を完全に無人化する。
「ADAM SMITH」は、把持対象を認識するカメラモジュール「GOD VISION(ゴッドビジョン)」と、把持対象を把持するアームモジュール「VISIBLE HAND(ビジブルハンド)」で構成するAIロボットアーム制御技術。
ピッキング工程の自動化では、カメラモジュールで自動倉庫の棚から引き出されてきたケースに対し中の商品をAIで認識し、ロボットアームの把持姿勢を提案。提案された把持姿勢に対し、アームモジュールがアプローチ経路を生成。ロボットアームが、その経路に従って商品をピックアップし、発送箱内へ運ぶようにする。ピッキング後、発送箱は自動梱包機で梱包し、トラックに積んで出荷する。
レナトスロボティクスでは今後、「ADAM SMITH」の実証実験を実施。2025年までに終了し、米サンフランシスコで建設予定の自社倉庫で導入を進める計画。