川崎重工、米AIロボットソフトのデクステリティと物流AIバンニングロボット開発

物流AIバンニングロボット「Mech(メック)」
物流AIバンニングロボット「Mech(メック)」

川崎重工業は5月8日、AI(人工知能)ロボティクスソフト開発などを行う米ユニコーンのデクステリティ(カリフォルニア州)と戦略的提携を行い、トラックに自動荷積みを行うAIバンニングロボット「Mech(メック)」を共同開発したと発表した。

「Mech」は、物流施設でのトラックへの荷積みをAIで自動化するロボット。物流施設内を自走し、2本のロボットアームでトラックへの荷積みを行う。川崎重工はロボットアーム部分の開発を担当した。

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「Mech」に搭載されたロボットアーム

開発したロボットアームは、トラックの狭い荷室内で最大限の動作範囲と動作の自由度を確保するために、一般的な産業用ロボットアーム軸数の6軸よりも多い、8軸を採用。加えて、トラックへの荷積み作業に必要な強度を維持しながら軽量とスリム化することで、コンパクト化と低コスト化を図った。

ロボットアーム1台あたりの最大可搬質量は30kgで、デクステリティが持つAI技術と組み合わせることで、これまでロボットの自動荷積みで難しかった荷物の大きさや重さを考慮し、適切な位置への効率的な荷積みを実現。荷物の大きさを認識し、大きさの異なる荷物を組み合わせて荷室の隅にまで効率よく積載することや、配送中の荷崩れを防ぐために荷物ごとの重量を踏まえて、荷重を分散させた積み込みを可能にした。

ロボットは、すでに国際的な物流企業の施設で、現場導入に向けた実証実験が実施されている。川崎重工では、物流分野で、Eコマース市場の拡大に伴う流通物量の増加に加え、慢性的な労働力不足によって、作業の自動化へのニーズが高まっているとしており、「Mech」を導入することで、荷積み作業に従事するトラックドライバーや作業者の負担軽減、物流施設の省人化が見込めるとしている。