
マテハンシステム総合メーカーのオークラ輸送機(兵庫・加古川市)は10月9日、一般用医薬品や医薬部外品などを取り扱うアルフレッサヘルスケア(東京・千代田区)が、九州物流センター(熊本・御船町)に、仏エグゾテックの3次元ロボットピッキングの自動倉庫システム「Skypod(スカイポッド)」を導入したと発表した。

「Skypod」は、高密度なラックと、前後・左右・上下に3次元走行する26台の搬送ロボットで構成。商品は専用コンテナに2アイテムずつ投入され、ラックへの格納や取り出しをすべてロボットが自動で行う。ラックは天井までの高さを活用しており、建屋の空間を最大限に生かしながら最大5670コンテナ、約1万2000アイテムの商品を保管できる。

出庫時は、出荷指示を受けた搬送ロボットがラックから該当する商品が入ったコンテナを取り出し、秒速4mでピッキングステーションまで搬送する。作業者は、モニターに表示された指示に従って、必要な数量の商品を取り出しオリコンに投入するだけで済み、歩行や商品探索の負担を大幅に削減できる。
アルフレッサ ヘルスケアは、九州エリアの物流機能強化を目的に、熊本市内にあった九州物流センターをアクセスに優れた熊本県御船町へ移転し、新センターとして稼働を開始。センターでは、約6200アイテムの商品を保管し、九州管内の43のデポと約850店舗のドラッグストアや薬局、薬店に毎日出荷を行っている。
同社は、センターの運用で、バラ出荷品の約6割を占める多品種少ロット品の保管スペース削減とピッキング効率の向上が大きな課題となっていた。これまでは、多品種少ロット品は高頻度出荷品と同じ平棚に保管され、作業者が台車を使って棚を巡回しながらピッキングを行う「カートピック方式」で運用。広い保管エリアを移動しながら作業するため、歩行距離や検索時間が長く、作業者への負担が大きかった。この解決で、オークラ輸送機から「Skypod」を導入した。

導入後は、バラ出荷品エリアの保管面積が大幅に縮小し、保管効率が向上。また、多品種少ロット品のピッキングで、「歩かない」「探さない」「持たない」というGTP(グッズ・トゥー・パーソン)方式を実現し、作業者の身体的負担を軽減した。さらに、高頻度出荷品のカートピック作業の効率も向上し、全体のピッキング精度と生産性が大きく改善された。
同社では「『Skypod』の導入で従業員の作業負荷が軽減され、労働環境が大幅に改善した。ピッキング工数の削減によって業務効率が向上し、九州エリアで正確・迅速・安全な商品供給体制をさらに強化できた」と評価している。