エアロネクスト、DIDでレベル3.5飛行ドローンによる定常配送モデルの実証実験

エアロネクスト、DIDでレベル3.5飛行ドローンによる定常配送モデルの実証実験
エアロネクスト、DIDでレベル3.5飛行ドローンによる定常配送モデルの実証実験

エアロネクストは11月6日、ネクストデリバリーと、和歌山県和歌山市でDID(人口集中地区)を含むルートで、ドローンの「レベル3.5飛行」の運航体制構築と医療機関を拠点にしたドローンでの買い物支援や地域経済活性化の実証実験を実施したと発表した。ドローンでDIDのレベル3.5飛行は日本初という。

実証は、和歌山市内の宇都宮病院を拠点に11月4日で実施。病院が調理した薬膳弁当を、山間部の「道の駅 四季の郷公園FOOD HUNTER PARK」までの約4.3km(うちDID区間は約250m)のルートを約10分で配送した。ドローンは、同病院のリモートパイロットによる自動遠隔運航で離陸と着陸を行い、配送後は病院に帰還した。

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DIDをレベル3.5で飛行したルート

ドローンは、エアロネクストがACSLと共同開発した物流専用ドローン「AirTruck(エアトラック)」を使用した。独自の機体構造設計技術「4D GRAVITYR」を搭載しており、安定した飛行と荷物運搬が行える。

また、エアロネクストが開発した「ドローンスタンド」((ドローン物流の起点・終点に設置する離着陸設備・スペース)を活用。離発着地点での監視カメラとアナウンス機能で第三者の立ち入りを制限し、安全を確保した上で飛行を行った。

ドローンの飛行は、2023年12月に国土交通省が新設した「レベル3.5」の基準に基づき実施した。これまでの航空局標準マニュアルでは「人または家屋が密集する地域上空の飛行は禁止」とされていたが、2025年10月の改正で、安全対策を徹底すれば飛行が可能となった。

和歌山市郊外では、スーパーの撤退により高齢者を中心とした「買い物弱者」の問題が顕在化。道の駅「四季の郷公園FOOD HUNTER PARK」では、宇都宮病院が調理した地元食材を使った弁当が人気を集めているが、人手不足により配送が滞り、販売機会の損失が課題となっていた。

こうした状況を受け、エアロネクストはDID地区と山間部を結ぶドローン配送ルートを構築。ドローンによる定期配送を導入することで、省人化と効率化を図ると共に、地域経済の活性化と買い物支援の両立を目指す。

エアロネクストとネクストデリバリーは、今回の成果を踏まえ、都市部でのドローン物流の定常運航モデルを全国展開する。今後は、医療・商業分野で実用化を進めるとともに、フェーズフリーな地域物流ネットワーク構築を進める。