パナソニックコネクトは10月19日、中央大学理工学部の梅田和昇教授が率いる研究チームと、「インハンドマニピュレーション」と呼ばれる、ロボットハンドで把持した対象物の位置や姿勢をハンド内で変更する動作で、つかんだものを落とさずに回し続けられるロボットハンドの制御技術を開発したと発表した。
パナソニックによると、「インハンドマニピュレーション」は現在、表面にコンベアベルトを巻いた複数のフィンガで構成されるロボットハンドが多く研究されており、フィンガ同士で対象物を把持し、その状態でベルトを動かすことで、対象物の並進と回転させ、対象物の位置姿勢変更が可能な範囲の拡大を図っているという。
一方で、特に姿勢変更のために対象物をハンド内で回転させる際には、対象物の形状や姿勢によって、つかみ続けることができずにハンドから落下させてしまうという課題あった。
パナソニックでは、この課題解決で、ロボット制御の視覚機能「ロボットビジョン技術」を活用し、対象物の形状や姿勢に応じてフィンガとベルトを制御するシステムを開発した。
対象物を落とさずに把持するためには、対象物の表面とロボットハンドとが接触しつづける必要があるが、接触の維持には、対象物の形状や回転中の姿勢に合わせてフィンガ同士の幅を調節する必要がある。しかし、フィンガが必要な幅の分だけ開閉しない状況もあり、その場合、対象物がつかみ続けられなくなる。新技術は、この状況を引き起こす2つの原因にアプローチし解決する手法として生み出した。
同社では部品組み立てや箱・パック詰め、検品、商品陳列などでの用途を見込んでいる。