YKK APは1月9日、米国法人のYKK APアメリカ(ジョージア州)が、製造ラインや倉庫・出荷にロボットなどを活用した自動化設備を導入した、住宅用樹脂窓を製造する新工場「メーコン工場」(ジョージア州メーコン・ビブ郡)を12月28日に操業開始したと発表した。
メーコン工場は、ジョージア州の中央に位置し、旧メーコン工場から車で約20分の場所に新たに用地を取得して建設した。YKKでは、これまで2か所に分かれていた旧工場の製造機能を、新工場に全て移管し、樹脂窓の一貫生産体制を構築。販売エリアの米国南部6州の住宅用樹脂窓増販に向けて、製造供給能力の強化と市場競争力のある製造供給の体制を図った。
製造ラインは、既存の樹脂窓商品に加え、改良商品の「StyleView Classic」を製造する新設ハングラインなどの設備を導入。樹脂素材の押し出し、ガラス・窓の加工、組み立て、出荷までを建屋の西側から東側に流れるライン設計として、高効率な一貫生産体制を実現した。
また、日本の樹脂窓製造ライン「APWライン」で採用する自動化技術を採用し、生産性を現行から212%向上する計画。加えて、遠隔でのサポート体制、現地オペレーターが維持管理できる設備仕様にするなどのメンテナンス性の向上、人に頼らない工程内検査の確立なども行っていく。
製造ライン内や倉庫・出荷工程では、重量物の運搬、ピッキング作業など身体的な負荷の大きい作業の自動化・省人化する。情報基盤を整備しすることで、スマートファクトリー化を図り、作業者が働きやすい環境を構築する。ロジスティクスでは、GTP(グッズ・トゥ・パーソン、ピッキングを担当する作業員の場所まで直接荷物を搬送するロボット)やIoT技術を導入。作業者の移動やピッキング時間の削減と、出荷工程を効率化する。
■YKK APアメリカ メーコン工場
所在地:米国ジョージア州メーコン・ビブ郡(100 YKK AP Way,Macon,Bibb County,Georgia,U.S.A)
生産品目:住宅用の樹脂窓・引き戸
主要設備:樹脂押し出し機、ラミネート加工、複層ガラス、樹脂窓生産ライン
生産能力:年間約45万窓
敷地面積:20万2343m2(新規取得)
延床面積:約3万6000m2
建屋構造:鉄骨造、鉄筋コンクリート造地上1階建
従業員数:250名(2023年12月時点)
投資金額:1億2500万ドル(約179億6900万円、土地・建屋・生産設備を含む)