リックス、キックロボティクスとロボットハンドツール「柔軟指」を共同開発

「柔軟指」を使ったロボットハンドの作業イメージ

鉄鋼、自動車など向けに機械や部品・サービスを提供する商社のリックス(福岡市)は1月23日、産業用ロボット機器の研究・開発を行うKiQ Robotics(キックロボティクス、福岡・北九州市)と、ロボットハンドツール「柔軟指」を共同開発すると発表した。

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2社が共同開発する「柔軟指」

「柔軟指」は、3Dプリンターで作った「ラティス構造」の樹脂に柔軟性を持たせたロボットハンドツール。「ラティス構造」は、枝状に分かれた格子を周期的に並べて立体化したもので、複雑な形状をつかむ時に、その形に変形して包み込むように持ち上げることができる。

ツールは、ロボットなどのチャックツメに柔軟指を取り付けることで、指で優しく包み込むように対象物を安定してつかむことが可能。様々な形状をつかむことができるため、ツールチェンジ(段取り換え)の工数が削減できるという。

強度のある素材を使用することで、構造によって変形を適切に調整することで、高い耐久性能を確保するほか、3Dプリンターで成形することで、設計自由度が高く、様々な形状に製造ができるようにする。

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「ロータリージョイント(回転継手)」での実証実験の様子

リックスは、福岡県糟屋郡にある自社工場のロータリージョイント(回転継手)の製造で、研削工程に導入し実証試験を実施。その結果、1日に数回~10回ほど発生していたチャックミスによるチョコ停がゼロになったことを確かめた。同社では、自動車業界を中心に、開発するツールを様々な業界向けに売り込むとしている。