日立製作所は7月2日、日立オートメーションと、製造・物流ロボットを活用したロボティクスSI（システムインテグレーション）を中核とする、自動化と最適化の協創施設「Automation Square HANEDA（オートメーションスクエア羽田）」を、羽田イノベーションシティ（東京・大田区）に開設したと発表した。
施設は「TSS Vision Theater」「Manufacturing Zone（製造分野）」「Logistics Zone （物流分野）」「Collaboration Lounge」「Advanced Technology Zone」のゾーンを設置。来場者がソリューションの実物を確かめたり、体感したりできる。
「TSS Vision Theater」は、3面モニターを使って、トータルシームレスソリューションのビジョンを映像放映やプレゼンテーションで紹介する。
「Manufacturing Zone」は、スマートファクトリーの実現に向けた、ロボティクスSIを中核としたソリューションの映像と実機デモのゾーン。部材の入荷・供給、製品の組み立て・マーキング、検査の一連の工程を、ロボット設備で自動化したデモラインを展示する。
具体的には、統合製造実行管理システム「FactRiSM」と自動化ラインをリアルタイムにつないだ事例を紹介。システムは、日立オートメーションの移動式協働知能ロボットによるデパレタイズ(荷下ろし)、JRオートメーションの組み立てプラットホーム「ロータリーインデクサー」、日立産機システムのインクジェットプリンター、オイルフリースクロール空気圧縮機を活用した組み立て・マーキング工程、ベッコフのリニア搬送システム「XTS」を含む製品外観検査工程で構成する。
「Logistics Zone」は、サプライチェーンの最適化に向けた、ロボティクスSIを中核とするソリューションの映像と実機デモのゾーン。TMS（輸配送管理システム）を含む「Hitachi Digital Solution for Logistics*15」や、倉庫内在庫管理を最適化するWMS（倉庫管理システム）統合物流管理システム「HITLUSTER*17」といったITソリューションを紹介する。
また、ピッキング設備最適化ソリューション「LogiRiSM」を中心としたオーダー仕分けのデモと、その作業実績と設備稼働データを連係した作業と設備状況の見える化の事例を展示。デモでは、日立インダストリアルプロダクツの統合設備制御システム「日立統括型WCS（倉庫制御システム）」、小型無人搬送ロボット「Racrew」、アイオイ・システムの「プロジェクションピッキングシステム(PPS)」、プラスオートメーションのAGV（無人搬送車）「t-Sort」、三機工業のソーティングロボット「メリス・ビアンカ」の実機を稼働させる。
「Collaboration Lounge」は、顧客とともに、課題解決のビジョン検討を始めとする協創に向けた具体的な議論が行える。「Advanced Technology Zone」では、日立グループの先進機器・ソリューションを展示。人の動作を検知し、データ化するセンサーソリューション、日立産機システムが生成AI（人工知能）を活用して開発した、対話形式で製品の適切な保守を促す「Talkative Products‐話す機械-」の取り組み、工場や倉庫の先進の建築設計事例などを紹介する。
日立は、京都リサーチパーク(京都市)にも、同様の施設「Automation Square KYOTO（オートメーションスクエア京都）」をオープンした。同社は、施設でロボティクスSIの実機展示や映像、プレゼンテーションの紹介を通じて、顧客やパートナーとの協創機会を創出し、製造業や物流の現場で働く人の生産性向上や顧客企業の事業価値向上につなげるとしている。
■Automation Square HANEDA
所在地：東京都大田区羽田空港1丁目1番4号 羽田イノベーションシティZoneB 3F
アクセス：京浜急行電鉄空港線・東京モノレール「天空橋」駅直結
開館時間：平日10時～17時30分（日立営業日に準ずる）
■Automation Square KYOTO
所在地：京都府京都市下京区中堂寺栗田町91番地 京都リサーチパーク9号館 101号室
アクセス:JR西日本 嵯峨野線（山陰線）丹波口駅下車徒歩8分
開館時間:毎週火曜日・水曜日10時～17時30分（日立営業日に準ずる）
