産業機械メーカーのスギノマシン(富山・滑川市)は7月4日、ロボットと3D(3次元)ビジョンカメラやロボットシミュレーションソフトなどを合わせた溶接板金業界向けパッケージ「溶接ロボットシステム」と「カエリ取りシステム」を開発したと発表した。
「溶接ロボットシステム」は、ロボットシミュレーションソフト「CROROROS(クロロロス)」で動作検証し作成したプログラムを送るだけで溶接動作が可能なシステム。スキャナーで実ワークのエッジを検出し、そのバラつきに合わせた動作経路を自動生成することでティーチレスで作業を行える。スキャニングしたデータの解析と補正するシステムは、リンクウィズ(静岡・浜松市)と共同開発した。
ロボットは、設置面積やワークサイズによって、壁掛けタイプ「CRb」と協働ロボット「CRX」を選択が可能。「CRb」は可動域が広く長手方向のカスタマイズできる。2機種ともにTIG溶接仕様、ファイバーレーザー溶接仕様に対応しており、稼働状況のモニタリング機能を標準装備する。
一方、「カエリ取りシステム」は、薄板鋼板のカエリ(プレスで金属に穴を開けた時に、せん断加工の切断した面に表れる突起)や、ドロス(レーザー外形加工で生成される、ワークの加工部裏面に付着する溶解金属)などのバリ取りに特化したロボットシステム。
「CROROROS」で作成したプログラムを送るだけで狙ったエッジのカエリ除去が可能で、処理したいエッジを指定し、ツールのオフセットや角度などを簡単に設定できる。同社のバリ取りツール「BARRIQUAN」を利用すれば、均一にカエリ取りが行える。
3Dビジョンカメラでワークの種別や表裏判別しており、おおよその位置に置かれたワークの位置ずれを自動補正するため、ティーチレスで稼働が可能。ロボットは「CRb」を採用することで、加工範囲が広く、ワークの複数個取りに対応できるようにした。