東京理科大、透明・光沢物体を高速把持するロボット技術を開発 把持成功率96%を達成

新技術を搭載したロボットが透明袋把入り物体を把持する様子(左)と光沢物体を把持する様子
新技術を搭載したロボットが透明袋把入り物体を把持する様子(左)と光沢物体を把持する様子

東京理科大学は3月30日、透明な容器や光沢のある包装材など、従来の3次元計測が苦手とする対象物でも、ロボットアームが高速で正確に把持できる技術を開発したと発表した。1台のカメラ画像から形状を推定し、必要に応じて複数視点の観測位置と移動経路も自動で決定することで実現した。生産現場の自動化での活用を見込む。

開発した技術は、RGB画像のセマンティックセグメンテーションと、複数視点の輪郭情報から形状を復元する「Shape from Silhouette」を組み合わせた。透明物体や光沢物体で不安定になりやすい深度センサーに頼らず、3次元計測の精度向上とカメラ移動距離の短縮を両立するコスト関数を使用することで、撮影位置と移動経路を最適化した。

実機ロボットによる検証では、透明・光沢・不透明の物体に対して把持成功率96%を達成した。従来の方法との比較では、カメラ移動距離を52%、ハンドリング全体の実行時間を19%短縮した。未知物体に対しても高い汎化(はんか)性能を示したとしている。

工場や生産現場では、透明トレーや光沢袋など、ロボットの把持が難しく人手作業に依存しやすい対象物がある。これまでは、そうした対象物の姿勢や位置の正確な把握には複数視点からの撮影が必要になるとともに、計測や処理に時間がかかり、作業タクトの低下やシステム全体の効率低下につながっていた。新技術はこうした課題解決につながるという。

今後は、既存設備への導入や多品種対応を見据え、段取り替えや対象追加が多い現場でも、運用条件に応じた最適な動作を生成しやすいロボットシステムの実現を目指す。