ロート製薬、フィジカルAI活用のヒューマノイドロボ開発PJ始動 上野テクノセンターで実証

ロート製薬、フィジカルAI活用のヒューマノイドロボ開発PJ始動 上野テクノセンターで実証

ロート製薬は3月31日、フィジカルAIを活用した「ヒューマノイド開発プロジェクト」を始動したと発表した。CPS(サイバーフィジカルシステム)を実装する上野テクノセンター(三重・伊賀市)を実証の場にして、人とヒューマノイドロボットが製造現場で協働する新しいものづくりモデル構築を目指す。

同社はこれまで、「人と環境にやさしいスマート工場」をコンセプトに、上野テクノセンターを中心にIoTやセンサー技術を活用したCPSを実装し、工場内の最適化を進めてきた。今回のプロジェクトでは、こうした基盤を生かしてフィジカルAIによるファクトリーオートメーションを推進し、製造現場の作業負荷軽減と生産性向上の両立を図る。働く人が付加価値の高い業務に移る仕組みの確立につなげる。

実証では、軽量物の自動搬送、安全巡回や案内といった連絡業務、ライン切り替え時の監視業務、箱詰めなどのライン補助業務から段階的に導入を進める。物理空間とデジタル空間を連動させた環境で、実証と改善を高速で回しながら技術を蓄積し、安全性と実効性を検証する。

フィジカルAIは、従来のようにあらかじめ定義した動作を繰り返すロボットと異なり、環境変化を前提に相互作用しながら最適な振る舞いを導き出す技術と位置付ける。海外では活用が進む一方、日本では安全性や運用面への慎重さから実装事例はまだ限られているという。ロート製薬は、上野テクノセンターに推進体制を整備し、外部の先端技術や専門人材との連携も視野に実証を進める。

上野テクノセンターは1999年に操業を開始し、目薬やスキンケア製品の生産、品質管理、物流を担うマザー工場として機能する。2022年9月には新工場C棟が稼働し、CPS活用の検証を進めてきた。ロート製薬は今回のプロジェクトを通じて、人の可能性を広げる現場づくりを進め、働く人のウェルビーイング向上と持続可能なものづくりを目指す。