上尾中央総合病院、手術支援ロボ「ダビンチSP」導入1年で170件の手術を実施

「ダビンチSP」を使った手術風景
「ダビンチSP」を使った手術風景

上尾中央総合病院(埼玉・上尾市)は7月9日、関東で初めてというシングルポート手術支援ロボット「ダビンチSP」を、2023年7月から導入し、運用から1年で170件の手術を実施したと発表した。

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シングルポート手術支援ロボット「ダビンチSP」

同院では、泌尿器科、肝胆膵(すい)外科、耳鼻いんこう科・頭頸(とうけい)部外科、産婦人科と、4つの診療領域でダビンチSPを活用。前立腺がんが47例、女性骨盤臓器脱が91例、腎臓がんが2例、肝臓がんが8例、すい臓がんが1例、頭頸部がんは8例、子宮の良性腫瘍など13例の手術を行った。

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術者の操作風景

ダビンチSPについて、従来のマルチポートシステムでは複数の切開創(手術のキズ)が必要となるが、切開創を最少で1つに減らすことで、整容性(見た目への影響)の改善や術後疼痛の軽減が見込めると評価。

また、機器の特性上、小切開(ちいさなキズ)による「最小限の空間」で良好な視野と鉗子(かんし)の操作性を維持しながら、「周辺組織に愛護的(手術の影響を最小限にとどめること)」に体腔(たいこう)内の深く狭い部位の手術が可能な点をメリットとして挙げている。

一方で、症例によっては、ダビンチSPではなく、マルチポートのダビンチや腹腔(ふくくう)鏡手術、開腹手術が向く場合があるとして、医師が慎重に検討を重ね、患者に最適な手術方法を提供するとしている。同院では、今後も最新の医療技術を積極的に導入することで、地域医療の質の向上に取り組んでいく考え。