ネクストモーションら、鳥取市でドローンとウェアラブル端末を使った遠隔医療の実験

ウェアラブル端末と通信機器を空路輸送するドローン

NEXT MOTION(ネクストモーション、鳥取・鳥取市)は11月28日、徳吉薬局(鳥取・鳥取市)、エアロセンス、鳥取市と、ドローンを使ったデジタルデバイスと処方箋医薬品の空路輸送とオンライン診療・服薬指導の実証実験を11月28日に行ったと発表した。

実証は、災害発生で道路が寸断し孤立した集落を想定し、ウェアラブル端末を活用した遠隔医療の提供を目的に実施。具体的には、台風災害で陸路が寸断された鳥取市佐治町津野地区住民に専門医の診療と必要な医薬品の提供を想定し、鳥取市佐治町総合支所からウェアラブル端末、通信機器を津野地区公民館にドローンで空路輸送した。

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生体データを計測する様子

津野地区公民館に着陸したドローンから端末を受け取った住民はウェアラブル端末を手首に装着し、生体データを計測。翌日の同時刻を想定し、その後、鳥取市内の「すがクリニック」(鳥取・鳥取市)、「徳吉薬局こやま」とのオンライン診療・服薬指導を行った。

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オンライン診療・服薬指導の様子

オンライン診療・服薬指導ではウェアラブル端末からクリニックにオンラインで届いた、心拍・歩行・睡眠・心電図の生体データを確認しアドバイスを行い、患者役の住民からのヒアリングも実施し、基礎疾患(持病)に対する薬の処方・服薬指導をした。その後、再度ドローンで処方箋医薬品の空路で輸送。患者役の住民は以前から服用している薬を途切れなく受け取ることができた。

実証実験を実施した佐治町津野地区は、1月の大雪、8月の台風の災害で周辺幹線道路が寸断され孤立し、医療提供が困難な状況にあったことを考慮し、今回、実証の場所に選定した。

ネクストモーションでは、今回の実証実験で災害発生時などの孤立集落に対し、ウェアラブル端末やドローンを活用することで、精度の高い遠隔医療の提供できることを実証したとしている。今後は、行政や関係団体と協議し、災害発生時の遠隔医療提供の体制作りや、ウェアラブル端末を活用した生体データを使った診療や中山間地域へのドローンによる医薬品配送の普及に取り組むとしている。