兼松、インテューイション・ロボティクスに出資、AIコンパニオンロボットの国内販売へ

インテューイション・ロボティクスのAIコンパニオンロボット「ElliQ(エリキュー)」
インテューイション・ロボティクスのAIコンパニオンロボット「ElliQ(エリキュー)」

兼松は9月9日、イスラエルのインテューイション・ロボティクスと協業し、AI(人工知能)コンパニオンロボット「ElliQ(エリキュー)」の日本版開発と国内での販売・サービス展開で、第三者割当増資を引き受けたと発表した。今回の増資で、インテューイション・ロボティクスが調達した累計資本調達額は8500万ドル(約126億)に達したという。

「ElliQ」は、高齢者の健康管理、未病予防、コミュニケーション、見守り、アクティビティ支援など、日常生活をトータルにサポートするAI搭載の対話型コンパニオンロボット。従来の一問一答型AIとは異なり、ユーザーとの会話を記憶して対話を深め、服薬リマインダーや生活習慣の提案なども行う。

米国での導入実績では、ユーザーの94%が「孤独感が減った」、97%が「健康状態が改善した」、90%が「生活の質が向上した」と回答した。結果は医学雑誌や州の機関にも裏付けられているという。

兼松は、インテューイション・ロボティクスの高度なAI技術と自社が持つ2万社を超える国内取引先ネットワークを活用し、「ElliQ」を日本で普及させる計画。2026年春ごろに日本での販売・サービス開始を目指して開発を進めるほか、広範な事業パートナーと連携し、高齢者支援のプラットホームとしての展開を図る。

日本は世界でも有数の高齢化社会に突入しており、介護や見守り分野で人手不足が深刻な課題になっている。兼松はインテューイション・ロボティクスとの出資と協業を通じて、日本国内でAIコンパニオンロボットを活用し、高齢者を中心としたユーザーのQOL(生活の質)向上する、新しいサービス市場の創出を目指す。また、企業・自治体などとの協働にも取り組み、AIとロボットを活用した社会課題の解決にも取り組む。