自律移動型ロボット開発のSEQSENSE(シークセンス、東京・中央区)は7月12日、東急コミュニティーが管理する札幌市の複合商業施設「COCONO SUSUKINO(ココノススキノ)」で、警備ロボット「SQ-2mk2」を活用した、複合商業施設の付加価値向上と、犯罪対策の効果を検証する実証実験を行ったと発表した。
シークセンスでは、警備ロボットが人の目を引くという特長を生かすことで、館内アナウンスによりも情報発信や注意喚起、万引の抑止力に効果があるとみて実証を実施。ロボットの音声アナウンス機能を活用し、警備業務に加え、万引対策やイベントの周知・誘導など、施設の付加価値向上に役立つかを確かめた。
ロボットがイベントの周知や会場までの誘導ができるかを検証する館内情報発信では、館内で開催するイベント情報をロボットから流したところ、ロボットのアナウンスを聞いてイベント会場まで足を運んだ顧客が見受けられ、情報発信の効果が認められた。
一方、万引などの犯罪対策では、テナント前にロボットを立哨させ、万引を警戒するアナウンスをロボットから流し犯罪対策に効果があるかを検証。テナントスタッフからは「ロボットがいることで安心感が増した」「ロボットが監視していることで万引の警戒はロボットに任して、ほかの業務に注力できた」との肯定的な声が多く寄せられた。
また、早朝・深夜の時間帯に出入り口でロボットが立哨監視を行う検証では、監視を遠隔で十分実施できることがわかった。
そのほか、工事を行わず、警備員がサポートしてロボットをエレベーターに乗せることで、複数フロアで運用が可能かの検証では、地下1階から4階までのショッピングフロアごとに「館内情報発信」「万引などの犯罪対策」「早朝・深夜の出入り口監視』で活用できた。今後、エレベーターとの連動が実現した場合には、曜日や時間帯のスケジュールでロボットがフロア移動し、効率的に業務を行えるようになるとしている。