日本IBM、中部国際空港で、AI搭載ロボット使った空港警備業務の実証実験

日本アイ・ビー・エムは1月9日、中部国際空港で、AI(人工知能)搭載ロボットを使用した空港警備業務の実証実験を、1月18~19日、2月15~16日に実施すると発表した。

実証では、AI搭載ロボットに東北エンタープライズ(福島・いわき市)が提供する、米ボストン・ダイナミクスのAI搭載四足歩行ロボット「Spot(スポット)」を使い、空港での警備業務や負担の現状を整理し、ロボットで代替可能な業務の検討、実証を通じた効果の把握などを検証する。

また、ロボットを利用した警備で収集できるデータの検討と、ロボット活用による警備業務の高度化を検討する。さらに、空港周辺の公道で使用する場合の道路交通法上の取り扱いや、AI搭載ロボットの活用場面の拡大も確認する。

日本IBMによると、空港などの警備業務は、天候や気温に関係なく24時間態勢での対応が不可欠な一方、定期的な見回りでは、危険の検知や不審物の発見に、見回るポイントや瞬時の判断などの注意力や経験値が求められ、負荷が高い労働環境のため警備人材の不足が課題となっているという。

そこで、同社では、人による警備業務の一部にAI搭載ロボットを利用することで、収集した画像データの活用した警備計画の高度化、警備業務の省力化、警備員の労働環境改善につなげ、警備人材不足の解消を目指すとしている。

今回の実証は、日本IBMが内閣府から受託した調査事業の一環。同社は、内閣府の「先端的サービスの開発・構築や先端的サービス実装のためのデータ連携等に関する調査事業(2次募集・全国対象)」に採択されており、「空港等の警備業務におけるAI搭載ロボットの導入に関する調査・実証」を、2023年11月に事業代表者として受託し、愛知県などと調査事業を実施している。