NTT西日本は1月8日、NTTビジネスソリューションズ、NTTフィールドテクノ、テルウェル西日本のグループ会社、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)、ユーゴーと、大阪メトロ御堂筋線梅田駅のポップアップ型販売店「Metro Opus梅田店」で、案内ロボット「ugo」と、NTT西日本グループとNTTコムが連携し提供するNTTのLLM(大規模言語モデル)「tsuzumi(つづみ)」などの複数の生成AI(人工知能)を活用した社会実験を1月15日から開始すると発表した。
社会実験は、2025年大阪・関西万博に向けて国内観光客に加え、訪日外国人観光客の増加が予想される中、多言語の質問に対する迅速な対応サービス強化を模索するために実施する。
具体的には、「Metro Opus梅田店」に案内ロボット「ugo(ユーゴー)」を配置。「ugo」で「tsuzumi」を始めとする複数の生成AIを活用し、さまざまな言語で顧客と対話できるかを実験する。言語は、日本語、英語、中国語、韓国語に対応する。
「ugo」が定期的に発話し、立ち止まった顧客に対し、あいさつや「Metro Opus」で販売する商品を案内する。顧客からの問いかけに対応する対話では、客の使用する言語に合わせ、多言語での案内と回答を行う。また、多くの人が利用する駅環境下で、「ugo」が案内ロボットとして適切な役割を果たせるかどうかを検証する。実験は3月15日まで行う。
実験を通じて、NTT西日本グループ、NTTコム、ユーゴーはロボットと生成AIを組み合わせて人手不足の解決に貢献するソリューション開発につなげる。一方、大阪メトロは「ugo」を配置後の顧客の反応や行動変容を調査し、将来の人手不足の解消と、質の高いサービス提供の両立を目指す。
実験でユースケースの有効性が確認できた場合は、2025年大阪・関西万博の最寄り駅となる中央線夢洲駅でも同様の社会実験を行う。世界各国からの利用が見込まれる夢洲駅で社会実験を行い、対話ケースの知見を深めることで、将来的には大阪メトロの利用客に利便性の高いサービスを提供できようにする。また、「ugo」に搭載した「tsuzumi」などを、クラウドを経由せずに使用する検証も行い、スムーズな受け答えができる取り組みも進める。