富士通、人とロボットの協働を支援する「空間World Model技術」開発 未来動作を予測

「Fujitsu Technology Update」(12月2日開催)で展示した人とロボットとの協働のデモ
「Fujitsu Technology Update」(12月2日開催)で展示した人とロボットとの協働のデモ

富士通は12月2日、人とロボット間、複数ロボット間での共同作業に活用できる予測技術「空間World Model技術」を開発したと発表した。空間内の人やロボット、物体の未来の状態を予測する技術で、従来では困難だった人とロボットの協調動作、複数ロボット間の最適な協調動作が可能になる。2026年3月まで同社の研究拠点で実証実験を進め、早期の実用化を目指す。

1203fujitsu2 - 富士通、人とロボットの協働を支援する「空間World Model技術」開発 未来動作を予測
「空間World Model技術」の概要

新技術は映像内の人やロボットなどの物体を基準に、空間カメラとロボットに搭載したカメラなど複数のカメラ映像を統合し、空間を認識することで、変化する空間をリアルタイムで把握可能にした。また、空間内の人やロボット、モノの変化を示す3D時系列データを学習し、複数の主体の相互作用から、それぞれが次に取る行動を推定し、未来の状態を予測する。そのため、人とロボットの接触などを避けられるという。

近年では、ロボットを自律的に動かすため、物理法則を学習させるAI(人工知能)「フィジカルAI」が注目を集めている。しかし、フィジカルAIには、人の動きの予測や物の配置が頻繁に変化する空間の状況把握が難しく、適応が困難という課題があった。富士通が開発した技術は、整備されていない環境でも、人とロボットの共同作業や複数ロボットの協調動作が可能になる。富士通では、オフィスの配送ロボットや警備ロボットでの活用を見込んでいる。