AI(人工知能)開発のプリファードネットワークス(PFN、東京・千代田区)と傘下のロボットメーカー、プリファードロボティクス(PFR、東京・千代田区)は9月9日、屋内移動ロボット向けの環境高度理解基盤モデル「PLaMo-SemGround(プラモ・セムグラウンド)」を共同開発すると発表した。経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の生成AI開発プロジェクト「GENIAC(ジーニアック)」に採択され、開発を始める。
「PLaMo-SemGround」は、自然言語やRGB画像、深度情報から、走行可能領域や進入禁止領域、複雑な作業条件を理解する20億パラメータ級以下の小型AIモデル。屋内移動ロボットの導入に必要な初期設定や運用作業の90%以上を、AIと現場担当者に委ねることを目標に開発を進める。
開発するAIは、周囲の領域や物体、走行条件を2次元・3次元で特定し、意味情報を付加した地図や経路計画機能と接続する。レイアウト変更に応じた設定の更新や、進入禁止領域、段差、障害物の認識を通じて安全な走行を支援する。ロボット本体の計算機や現場のローカルパソコンなど、クラウドを使わないエッジ環境での利用も想定している。
PFRは自律搬送ロボット「カチャカ」シリーズや専用のデータ取得台車を使い、工場や商業施設など50現場以上からRGB画像、深度情報、走行ログ、現場ルールなど80万フレーム以上の実用データを収集する。PFNは、収集した実用データを公開データや合成データと統合し、2000万サンプル以上の学習・評価用データ基盤を構築する。
開発したAIモデルは、PFRの搬送・清掃ロボットに搭載し、5業種・10現場以上で空間認識性能や設定作業の省力化効果を確かめる。両社は2028年度中にPFR製品への先行実装を予定している。PFNはモデルライセンスやSDK(ソフトウエア開発キット)、評価基盤として、国内のロボットメーカーやシステムインテグレーター、施設管理事業者に段階的に販売する。
将来はAMR(自律移動ロボット)やAGV(無人搬送車)に加え、脚型ロボットやヒューマノイドへの展開も目指す。








