自動調剤技術を手掛けるメディカルユアーズロボティクス(大阪市)は6月25日、AI搭載の自動調剤ロボット「リードル・ファシス」の国内生産を開始すると発表した。
「リードル・ファシス」はイタリアのGPIが製造する薬剤自動入庫払い出しロボット。Wi-Fiを利用したロボットアームを搭載しており、速いスピードで確性に、医薬品個包装を運搬できる。調剤業務のうち出庫から在庫管理、入庫業務までの自動化が図れ、既存の薬剤業務の約半分を自動化できるという。
メディカルユアーズロボティクスの親会社、メディカルユアーズは、2022年4月にGPIと「リードル・ファシス」の日本での独占販売契約を締結。「リードル・ファシス」に、メディカルユアーズが開発した処方箋データ連携ソフトを連動したシステムを展開し、イタリアとドイツで製造、海上輸送の形で供給してきた。
しかし、昨年末以降、スエズ運河での武装組織による商船への攻撃で世界の物流網が打撃を受けた影響で、アフリカの喜望峰経由ルートへの迂回(うかい)を余儀なくされ、日本への納品期間の1~2カ月から3~4カ月に遅れている。
こうした背景から、今回、国内での生産に踏み切った。これに伴い、グリッパーやアームなどの心臓部以外の部品を、中日販売(名古屋市)で製造を開始。試験機の製造も完了しており、テスト運行も高い精度でクリアした。同社では、国内生産によって納期を大幅に短縮できるほか、日本の技術を活用した、高品質な製品の製造ができるとしている。