
QBIT Robotics(キュービット・ロボティクス、東京・千代田区)は4月8日、大和物流と、大和物流が館内物流業務を運営する商業施設「iias高尾(イーアス高尾)」(東京・八王子市)で、キュービットの配送ロボット「DR2」を使った店舗配送の実証実験を実施したと発表した。

実証実験では、「DR2」がイーアス高尾の荷さばき場からバックヤード、館内共用部を経由し、3店舗に小型荷物を配送したほか、インフォメーションカウンターから館内共用部とバックヤードを経由し、防災センターまで拾得物の配送を行った。
2社は実証実験を通じて、不特定多数の来館者が行き交う環境での配送ロボットが走行した場合の安全性、配送ロボットを活用したテナント向け配送業務サービス自動化の検証、配送ロボットを館内配送業務に活用する場合の課題の抽出を行った。
実証の結果、人が近づいた際に音や光を発する装置をロボットに装着し、来館者への注意喚起を効果的に行ったことで、非常停止などのトラブルは発生せず、安全性を確認できた。
また、施設バックヤードから館内共用部に出る際にドアの自動開閉を可能にするロボットのカスタマイズ条件を確かめた。さらに、売り場への配送で、店舗内レイアウトを見直すことで店舗内部への配送が可能となることが分かった。
大和物流は、商業施設やオフィスビルで館内物流業務を行う中、人口減少による人手不足が深刻化し、安定的な運営モデルの構築が重要な課題となっているという。
同社では、こうした課題解決でロボットの活を視野に入れており、今回、施設共用部で配送ロボットの走行時の安全性と、テナント向け集配作業の自動化の実用可能性を検証するためにキュービット・ロボティクスと連携し、実証実験を実施した。