
リベラウェア(千葉市)は4月9日、北九州市が実施する「企業変革・スタートアップ・グロースサポート事業」で、狭小空間点検ドローン「IBIS2」と多機能発射台を活用した港湾桟橋環境の点検を実施したと発表した。
今回の点検では、温風ヒーターや無線送受信装置など桟橋環境に必要な機能を加えた多機能発射台を開発。発射台から狭小空間の飛行が可能な「IBIS2」を離陸させることで、制約が多い桟橋環境で調査を可能にした。

リベラウェアによると、従来の点検方法では、潮流が速い場所の海上に設置する桟橋で、潮流の影響が比較的少ない干潮時間帯で点検を行う必要があった。また、海水面と桟橋上部工下面部との間が狭いため、小型ボートや潜水士による目視、水中ドローンなどでの点検時間の十分な確保が困難だった。今回の取り組みは、こうした課題の解決と持続可能な点検手法の確立を目的に行った。
点検は、北九州市が設定した、スタートアップによる課題解決の実証実験と研究開発の実施、試作品・サービスの開発・改良に関わる調査・検討・開発・検証・準備の資金・伴走支援を行うイノベーション支援プログラム 「行政課題解決」の枠で実施した。
リベラウェアでは今後、岸壁が165バースある国内トップクラスの施設数を持つ北九州市で、老朽化リスクに対し、点検を始めとする施設の維持管理で「IBIS2」の活用を働きかけていく考え。