ハイボット(東京都品川区)は8月4日、ヘビ型ロボット「Soryu-C」が、電力などの設備管理を手掛けるイタリアのA2Aがイタリア北部のブレシアで管理運営する地域暖房設備の点検に活用したと発表した。
「Soryu-C」は、地中に埋設された配管設備や人の手の届きにくいインフラ設備などを点検する用途で開発されたロボット。半自動式のリールユニットにつなぎ、テザーで吊り下げられながら、地上に開けられた細い貫通口を通って、地中配管設備に到達することができる。
複数のカメラが搭載されており、ロボットのナビゲーション、配管設備の検査、3Dマッピングの生成に使用が可能。センサーなどのデバイスを追加で取り付けるなどの拡張性も備える。
A2Aはイタリアとギリシャで、再生可能エネルギー、電力、ガス、水道、廃棄物などの設備管理を行っている企業。
ハイロボットによると、地中配管点検は、道路に穴を掘り、地上からのアクセスが必要で、点検が難しいという。実際、A2Aでも地下に張り巡らされた暖房設備の配管網が、狭いスペースに敷設され、都市の地下数キロメートルにわたり分布するため、配管設備のメンテナンス作業は、道路交通規制や、暖房サービスの一時停止が必要など、常に高いコストとスケジュールの制限がかかっていた。
A2Aは今回、「Soryu-C」を使用することで、マンホール入口から地下配管に到達。「穴を掘る」「点検する」「穴を塞ぐ」「道路の再舗装」といった、道路交通に影響が出る通常は数週間が必要な一連の作業を省略できた。
ハイボットでは、A2Aとの取り組みを始め、今後は東京に本社を構えながら新設した欧州子会社の「ハイボットヨーロッパGmbH」を通じて、今回のソリューションと、そのほかのロボットソリューションサービスの提供を拡大する計画。