旭テクノロジー(ATCL、兵庫・姫路市)は10月22日、スイスのフライアビリティー製の球体ドローン「ELIOS 3」を活用した下水道点検の公開検証を、兵庫県明石市内の下水道施設で8月22日に実施したと発表した。
今回の検証では、これまで波高が高く人の立ち入りが困難だったボックスカルバートを対象に、「ELIOS 3」と高性能センサーのLiDAR(ライダー)、専用ソフトを組み合わせ、撮影した動画や静止画から3D点群データを生成し、手法の有効性を確かめた。

検証場所は、海と接続するボックスカルバート内で、管内の約3分の1が水で満たされた状態の屈曲を含む約30メートルの区間で干潮時に実施した。また、電波の到達を確保するため、専用のエクステンダーを併用し、合計3回のフライトで全域を撮影した。
検証の結果、人が立ち入れない閉鎖空間でも、「ELIOS 3」は安定した飛行を維持し、高精細な映像と静止画を取得できた。同時に安全性と効率性で有用なことも確認した。
明石市の担当者は、検証について「潮位の影響を受ける管渠(かんきょ)であり、干潮時でも人による点検が困難だったが、ドローンで詳細な状況確認が可能になった」と述べた。また、管渠内に進入せずに点検が行えることから、硫化水素中毒や酸素欠乏症といったリスクを回避できる点を高く評価。今後は飛行時間の延長やさらなる性能向上に期待を寄せた。
ATCLでは、今回の検証を通じて得た知見をもとに、下水道インフラ維持管理でドローン活用の実用化を目指すとしている。








