
JFEエンジニアリング(東京・千代田区)は2月18日、鋼橋の建設工事工程の高力ボルト締め付け作業を自動化するロボットシステムを開発したと発表した。
開発したロボットシステムは、鋼橋の建設工事で使用する膨大な量の高力ボルト締め付け作業で、一次締めから本締め、検査、ピンテール(適切にボルトの締め付けが完了すると折れるようになっているボルトの端部)の処理までの工程を一気通貫で自動化できる。
システムは、協働ロボットに、ボルトの締め付けを行う専用工具「シャーレンチ」を装着し、独自開発の制御システムを導入することで、向きが一定でないナットにシャーレンチをスムーズにはめ合わせることを可能にした。また、専用の移動台車を新たに開発し搭載することで、広範囲で連続施工できるようにした。

協働ロボットは、ファナックの「CRX 20iA/L」を採用。ロボットの導入でファナック、制御システム開発はグローバルコネクトが協力した。JFEエンジニアリングでは、ロボットの実証実験も実施しており、高い精度でロボットを制御し、高力ボルトが連続で安定的に締め付け可能なことを確認した。
同社では、開発したロボットで1工事あたり数万本超の人手を使ったボルト締め付け作業を自動化できると共に、従来比で約40%の省人化可能になるとしている。今後は、2025年度からシステムの実工事現場での導入を開始し、段階的に展開していく考え。