Casley Deep Innovations株式会社は、岐阜県岐阜北警察署が実施する災害救助訓練において、「DiCaster Police(ディキャスター・ポリス)」を用いたStarlink(スターリンク)衛星通信からのハイパー・セキュア・ネットワークによるリアルタイム映像同時配信と、ハイパー・セキュア・ストレージによるデータ秘密分散を活用し、マイクロドローンを含む複数機の目的別ドローンを連携させた倒壊家屋からの救助訓練を実施した。
同訓練は、大型地震による建物の半壊及び倒壊や危険度の高い救助活動、通信途絶による情報の遮断などの状況下において、できるだけ安全かつ迅速に救助活動が行えるよう、複数の目的別ドローンを連携し、不感地帯における通信確立とセキュアな閉域通信の確保、建物の外観診断による安全性確認、屋内の要救助者発見を目的としている。
同訓練では、地震で通信が途絶した不感地帯において、倒壊の恐れがあるマンションに住民が取り残されている状況を想定して実施された。状況下では救助隊が、救助パッケージを迅速展開、小型ドローンによる上空からの建物の倒壊危険性の診断を行い、人が立ち入ることが困難な危険な状況下での屋内捜索をマイクロドローンを用いて実施した。
同訓練の成果として、人員2名が現場到着後、安全な位置を確保して約25分で要救助者2名を発見することができ、救助の様子を遠く離れた指揮本部・専門家・支援者へリアルタイムに伝送、救助部隊が連携して救助活動を行えることを実証できた。
従来の救助活動において、人員2名で建物の被害状況確認・救助のための侵入・各部屋の確認・要救助者確認を行う捜索活動は不可能であり、これらを2名で実施できた点は大きな成果であると考えられる。
また、従来は建物の被害状況を非専門家である警察官・消防隊員・自衛隊員の独自判断で行わなければならなかったものが、遠隔で専門家のアドバイスを受けることができたり、建物に侵入せずとも安全な位置から要救助者の発見を行うことができたりした点は、余震が断続的に発生し倒壊の恐れがある建物室内を救助隊が安全かつ迅速に捜索を行うために必須の施策になるものと考えられる。
同訓練参加者は、「捜索時間についても極めて短時間で実行できており、従来では捜索活動を諦めざるをえない状況においても捜索を行う可能性を見出すことができた点や、現場の活動に加えて災害対策本部への情報共有による指揮の効率化・迅速な意思決定、隊員の安全確保・正確かつ効率的な救助計画立案など後方支援活動の強化にもつながる点で、極めて重要な訓練結果となった」と述べた。