テラドローンは6月20日、運航管理システム（UTM）を手掛ける子会社のユニフライ（ベルギー）が、化学大手の独BASF、スイスの検査・認証会社のSGS、ドローン物流のADLCと、ベルギーのアントワープ港で、自律型ドローンを使った石油化学サンプルの輸送を実施したと発表した。
輸送は、航空規制の要件を満たし、石油化学サンプルのドローン輸送を認可されたプロジェクトの一環として行った。具体的には、目視外にある制御室から完全にコンピューター制御されたドローンを使って、石油化学サンプルを出発地から目的地までドローンが自動で運搬した。港湾内の非分離空域で輸送は、世界初という。
ユニフライによると、港に到着した液体貨物船は、荷降ろしを始める前に貨物の成分の確認が必要で、サンプルを採取し、分析が行われるという。これまでサンプルは、車を使って陸路で輸送されていた。同社では、この作業をドローンに置き換えることで、輸送時間が最大6倍の短縮され、CO2排出量も最大80％の削減が可能になり、業務効率が大幅に向上するとしている。
今回の輸送で、ユニフライはUTMを提供。飛行許可の取得や承認管理などで活用された。アントワープ港では2021年3月から港湾内でのドローン飛行にユニフライのUTMを導入。これまで約6000件以上の飛行許可・承認手続きを処理している。こうした実績を基に同社のUTMが採用された。
