AI(人工知能)や航空宇宙技術などを手掛けるスタートアップのソラテクノロジー(名古屋市)は7月18日、北日本スカイテック(KST、北海道・北広島市)、スマート農業共同体(SAc、札幌市)、東京農業大学と、独自のドローンとAI技術を使った農業GX(グリーントランスフォーメーション)事業を開始すると発表した。
第一弾でドローンとAIを組み合わせて水田の中干し期間の計測を行う。「中干し」は、水稲栽培で稲を育成する間に水田の水を一定期間抜いて水田を乾いた状態にしておく作業。稲の品質低下と収穫量の減少を避けるとともに、温室効果ガスの一種であるメタンガスの発生を抑制する効果があるとされる。
ソラテクノロジーでは、中干し期間中に、自社開発の固定翼型ドローンで水田を上空から測定し、AIの画像認証技術で水田に水が存在しているかどうかを判定する。固定翼型ドローンは、1回の飛行で最大100ヘクタールを撮影が可能。限られた時間内でも広範囲の水田を計測でき、中干しの日数を算出できる。
同社は、北海道、札幌市、北海道経済産業局の北海道内スタートアップ支援の推進組織「STARTUP HOKKAIDO」が主催するオープンイノベーションプロジェクト「Local Innovation Challenge HOKKAIDO」に採択されており、中干し期間を測定する実証実験を北海道岩見沢市で6月に実施した。