エアロセンス(東京・北区)は11月29日、飛行機の無人航空機操縦者技能証明(二等)を取得したと発表した。
エアロセンスが開発するマルチコプターと固定翼の両方のモードで飛行できるVTOL型ドローン「エアロボウイング」は、技能証明で「回転翼航空機(マルチコプター)」と「飛行機」の両方の資格取得が必要となる。
同社では、「エアロボウイング」で飛行ルート下に人がいないかを監視する補助員配置を一定条件で不要にする「レベル3.5飛行」の実現のために「飛行機」の技能証明取得に向け準備を開始。指定試験機関の日本海事協会に出張試験を申し込むとともに、試験用の機体を新たに製作。試験場の確保などの調整を行い、実地試験の開催にこぎ着け、11月上旬に国内で最初という実地試験を実施し合格をした。
その後、「飛行機」の技能証明を取得することで、すでに保有する「回転翼航空機(マルチコプター)」の技能証明と合わせて、VTOL型ドローンの「レベル3.5飛行」が実施できる条件がそろったとしている。
また、取得した技能証明のなかで、「飛行機(二等)」には、飛行機のマニュアル操縦や滑走路による離着陸が試験項目に含まれているが、「エアロボウイング」はこうした操作上の困難の解消で、飛行機モードでは自動飛行を行い、滑走路を不要とする垂直離着陸技術を実装した。
エアロセンスでは、技術開発で不要となった技能を習得しなければならない状況に対して、機体の仕様に合った技能の組み合わせで資格を取得できるように、限定事項の変更やVTOL用の技能定義などを国に対して働きかけていくという。