テラドローン、インドネシアで初のUTM活用した複数ドローン飛行の実証実験

テラドローンは1月23日、子会社のユニフライ、アロフトと、インドネシアのジャカルタ郊外で、UTM(運航管理システム)を活用した複数ドローン飛行の実証実験を1月22日~23日に実施したと発表した。UTMを使った複数ドローン運用の実証は、インドネシア国内では初という。

インドネシアは、世界有数のオイル、ガス国家で、ドローン点検市場が有望視されているほか、パーム農園などの大規模農業での活用や離島間の物流などでASEAN諸国の中でもドローンの市場が拡大すると見込まれている。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の調査によれば、インドネシアはドローン産業の潜在的な市場規模は、ASEAN諸国では2位で、2024年の人口が世界4位であることなどから、今後ドローンの活用が加速するとみられている。

実証実験では、インドネシア市場に最適化されたUTM導入の可能性を検証し、将来的な商業化を目的に実施。ユニフライのUTMプラットホームをベースに、テラドローン、アロフトの知見と技術を持ち寄り、UTMの活用を想定したいくつかのシナリオに沿って複数のドローンを飛行させて、安全な運航管理や自律飛行、緊急対応の運用検証を行った。

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ドローンの運航状況を示すUTMの画面

具体的には、実験時に、UTMの概要説明に加え、実際にUTMとドローンに搭載した、航空機の位置情報をリアルタイムで送信し、地上の受信機や、ほかの航空機の受信を可能にする航空監視技術「ADS-B(自動依存監視放送)」、無人航空機の識別情報を電波で遠隔発信する機能「Remote ID」を使用したデモンストレーションを実施。

ドローンは、米国製、日本製、インドネシア製、中国製の機体を使用し、農業、物流、監視・点検といったユースケースを想定した複数機体での飛行を行った。実証実験後には参加者のセッションを開催し、今後のインドネシアと周辺諸国でのUTM導入に向けたステップや課題を議論した。

今回のインドネシアでの実証実験は、テラドローンが経済産業省に採択された「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(事業名称:インドネシア共和国/インドネシア市場に係る無人航空機の運航管理システム(UTM)の実用性実証事業)」の一環で行った。

テラドローンでは今後、農業、測量、点検、物流、セキュリティー対応といった分野で、インドネシアのジャカルタや建設中の新都市ヌサンタラなど、複数都市でドローンの普及に必要なUTMの実用化を目指すとしている。