JRC、中村自働機械の全株取得し子会社化、ロボットSI事業を強化

株式譲渡の調印式の様子。左から浜口稔・JRC社長、中村康信・中村自働機械社長
株式譲渡の調印式の様子。左から浜口稔・JRC社長、中村康信・中村自働機械社長

JRCは5月16日、自働機械や包装機械などを手掛ける中村自働機械(埼玉・草加市)の全株式を取得し、子会社化すると発表した。食品分野のロボットソリューションに強い中村自働機械を取り込むことで、ロボットシステム事業を強化する。

2社は5月15日に株式譲渡契約を締結。6月3日にJRCが中村自働機械の全株を取得する。JRCは、2018年から「ALFIS(アルフィス)」のブランド名でロボットSI(システムインテグレーション)事業を開始。その後、食品や医薬メーカーを中心に事業を展開し、労働力人口減少による自動化ニーズ拡大を受け成長している。

同社では、今後も自動化ニーズは、さらに拡大すると想定。市場の成長に追随を目的に「食品・医薬領域へのロボットパッケージによる横展開と拡販強化」「M&Aによるロボット自動化コンソーシアム化」を掲げ、準拠する企業との事業統合を積極的に行う方針を定めている。

「M&Aによるロボット自動化コンソーシアム化」は、拡販可能な技術を持ちながら、集客や後継者の課題を抱えるロボット関連企業を対象にM&A(企業の合併・買収)を実施することで、多様な人員や尖った技術、広範なエリアをカバーする、同社のロボットSI事業のM&A戦略。今回の中村自働機械の買収は、その一環となる。

中村自働機械は1956年の創業以来、自働機械や包装機械などの設計・製造を手掛けるロボットシステムインテグレーター(SIer)。現在は大手食品メーカーなどを中心にメンテナンスやリピート受注を数多く獲得している。JRCは、同社が多様化する自動化ニーズに技術で応えることのできる数少ないロボットSIerとみており、両社の自動化ノウハウの共有と双方の顧客基盤を活用したクロスセルを行うことで、事業成長を加速することができると判断した。

今後は、中村自働機械の株式取得を通じて、市場シェアを拡大するとともに、グループのシナジーを生かし、一層の付加価値の提供を行っていくとしている。