メディセオ、兵庫の物流センターにAI活用ピッキングシステム導入

メディパルホールディングス(HD)の子会社、メディセオは9月1日、同日に竣工した物流センター「阪神ALC」(兵庫・西宮市)」に、富士通のクラウドサービス「Picking Optimizer(ピッキングオプティマイザー)と、AI(人工知能)を活用したピッキングシステムを構築し導入したと発表した。

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「阪神ALC」のAIを活用したピッキングシステムの概要

「阪神ALC」のピッキングシステムは、物流センター内に保管されている3万SKU(商品の受発注・在庫管理を行う最小の管理単位)を超える商品からオーダーに基づいて、取引先別の納品箱に収納するまでのピッキング工程全体の効率化を目的に導入した。

システムは、ピッキング作業者が複数の取引先向け納品箱に商品を収納し、同じ商品を一度にピッキングすることで、作業の集約と商品の搬送回数を最小にする工程を2つのAIを組み合わせて実現したのが特長。

具体的には、1つめのAIは、複数の納品箱の作成時に同時作業できる最適な組み合わせを探索・発見することを可能とするもので作業の集約を実現した。

もう1つのAIは商品を格納する自動倉庫から、商品を納品箱に収納するピッキングステーションへ、商品格納オリコン(自動倉庫の商品が入っている折り畳み容器)を流す順序を最適化。自動倉庫の配置やマテハン、ロボットの処理性能を含めて計算処理することで、搬送時間を最小化した。

従来のメディセオの物流センターではオーダーが入った順番に納品箱を作成し、出荷までに時間が必要だった。新システムでは一定のオーダー単位でAIによる最適化計算をすることで、出荷時間の短縮、ピッキング作業と搬送を効率化し、生産性を向上させた。同社では、AIに加え、ロボット、自動化設備も含めた効果で、ピッキング生産性は既存の「神奈川ALC」の約5倍となると見込んでいる。

今後は、システムの「阪神ALC」の導入を皮切りに、ピッキングシステムを採用する、ほか物流センターにも「Picking Optimizer」と合わせて順次展開を進める考え。また、富士通と連携しICT(情報通信技術)やAIを活用することで、さらなる効率化の早期実を目指す。