エアロネクストは3月15日、北海道新十津川町、KDDIスマートドローン、電通北海道と、ドローンのレベル3.5飛行による災害時の救援物資配送の実証実験を、新十津川町内で3月5日~6日に実施したと発表した。
実証は、平時から町内の新スマート物流網を構築し、災害などの有事の際に、日常時と非常時という2つのフェーズをフリーにするという考え方「フェーズフリー」の観点で、買い物配送で利用するドローンを、救援物資や医薬品配送に転用を想定し、加えてレベル3.5飛行による配送を行った。
配送の仕組みには、エアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した物流サービス「SkyHub(スカイハブ)」を活用して実施。運用は、ドローン配送サービス事業を主体とするエアロネクストの子会社のネクストデリバリーが行った。
実証当日は、「新十津川町農村環境改善センター」から「みらいえ」を経由し「吉野地区活性化センター」の片道の飛行距離約13.4kmをドローンが約35分をかけて飛行。地震などの災害時、土砂崩れなどで道路が寸断された場合、中心部から少し離れた町の西側に位置する吉野地区は陸路はアクセスできず、孤立する可能性があるため、そうした際に、ドローンを活用して空から物資を届けることを想定し、配送を行った。
また、「吉野地区活性化センター」と「吉野駐車公園」を往復する飛行ルートも実施。次年度に設定を検討する「物流コース」で、使用を想定す「初級ルート」「上級ルート」を実証するデモンストレーション飛行も行った。
「初級ルート」は、河川上の飛行を基本とし、別途許可承諾などが必要な吉野公園を避け、451号線を横断。横断時は通行の確認が必要な飛行ルート。片道で距離約1.8km、飛行時間は約5分になる。
「上級ルート」は丘上の飛行を基本とし、別途許可承諾などが必要な吉野公園を避け、451号線を横断する一方、高度変化のため対地高度の確認を行うと同時に、ルート上に実際はない高架線を想定した高高度での飛行し、架空の高架線を通行前に一時停止を実施するルートとなる。片道で距離が約2.1km、飛行時間は約5分。