ムジンは4月24日、半導体製造装置メーカーのSCREENセミコンダクターソリューションズが滋賀県彦根事業所の新建屋の半導体洗浄装置組み立て工程で、「QRグリッド式AGV（無人搬送車）」を導入したと発表した。
「QRグリッド式AGV」は、衝突・渋滞回避をソフトが自動的に制御することで、複数台のAGVが走行する現場でも搬送能力を最大化できるほか、積み荷の向きを保ったままの走行や、90度の回転で走行し、限られたレイアウトでも搬送を自動化が可能で、床面へのQRコード貼り付けとマップ登録でレイアウト変更が容易にできるという特徴を持つ。
SCREENセミコンダクターソリューションズは、組み立て工程で半導体洗浄装置の需要変動に柔軟に対応するため、セル生産方式を採用する。ムジンでは、生産方式を考慮し、アッセンブリー・ピッキング支援システムとAGVを連携させることで、作業進捗との連動を含む生産管理システムの構築を支援した。
その結果、配膳部品管理、組み立てセルへの部品配膳と完成品回収作業を自動化。加えて、これまで部品配膳に必要だった人員を削減し、部品の誤配膳や取り間違いがなくなり、非固定設備のAGVによって、変更にも対応可能なフレキシブルな組立工程を実現した。
SCREENセミコンダクターソリューションズでは、建屋の開所に合わせ、天井搬送など従来の搬送自動化手法を一新したコンセプトを掲げ、構内物流の自働化にAGVの採用を検討す一方。プロジェクトをスピーディーに進めるために、短納期でのシステム構築を必須条件の1つに挙げていた。
この条件を受け、ムジンでは、構内物流自動化の需要拡大に対応可能な製品・部品在庫供給体制と、専門チームが的確な仕様提案を行うことで、成約からシステム立ち上げまで、同社のこれまでの平均的な導入期間に比べて、早い導入を可能にしたとしていている。
