ロボットシステム開発の東京ロボティクス(東京・文京区)は10月25日、2025年3月に発売予定の最新の産業用人型ロボット「Torobo(トロボ)」のモデルデータを、エヌビディアのロボットシミュレーションプラットホーム「Isaac Sim(アイザックスリム)」と、グーグルディープマインドの物理シミュレーター「MuJoCo(ムジョコ)」で利用可能な形式で公開すると発表した。
東京ロボティクスでは、新型の「Torobo」のモデルデータを多くの人に使用してもらうことが、ロボット技術のさらなる発展につながるとみて、今回、データを使ったシミュレーションモデルと使用方法を公開することにした。
モデルデータは、「ハンド付き全身」「ハンドなし全身」「ハンド単体」の3種類を提供する。データは、ロボットの形状を始め、軸配置や重さ、可動域を実物と同等に設定しており、現実に近い環境でシミュレーションが行える。そのため、人型ロボットの実機を導入する前に性能を評価できるという。
同社では、ロボット制御やAI(人工知能)モデルの学習に適し、精度の高い物理シミュレーターの「Isaac Sim」と「MuJoCo」で、データを利用することで、実世界での応用を目指した人型ロボットの研究開発を加速できるとしている。また、シミュレーターの豊富な資産を利用することで、さまざまな場面で人型ロボットが作業する空間を簡単に再現できるほか、ロボットの動作をプログラムすれば、デジタルツインの作成も可能という。