大阪国際がんセンター(大阪市)は8月21日、米インテュイティブサージカルの手術支援ロボット「ダビンチSP」を使って、中咽頭がん(のどのがん)のロボット手術を初めて実施したと発表した。口からロボットアームを挿入してがんを切除することで、首を切開する従来手術に比べ、患者の身体的負担や術後の痛みを軽減できるという。
同センターでは2024年から、主に腹部手術で使われてきた従来機「ダビンチXi」を使い、口からのどのがんを切除する手術を実施してきた。2025年度は14件の手術を行った。一方、「ダビンチXi」は4本のアームを口に挿入するため、アーム同士がぶつかりやすく、深い場所にあるがんでは操作が難しい場合があったという。
「ダビンチSP」は、1本のアームを口から挿入し、奥で4本に分けて操作する。狭い口の中にも挿入しやすく、従来機では届きにくかった深い場所にあるがんも切除できる。大阪国際がんセンターでは、首を切開する必要がなく、皮膚に傷痕が残らない点や、非常に狭い場所でも手術しやすい点などを評価し、導入した。操作性の向上で手術時間を短縮し、患者への負担軽減や早期回復につなげる。
のどにできる咽頭・喉頭がんでは、首を切開してがんを取り出す手術で痛みや傷痕が残り、食べ物を飲み込む機能や発声に影響が出る場合がある。内視鏡を口から挿入して切除する方法もあるが、がんの大きさや深さ、場所によって適応が限られていた。
大阪国際がんセンターでは、「ダビンチSP」の導入で、従来機では口からの切除が難しかった症例にも対応できるようになったとしている。今後は「ダビンチSP」による頭頸(とうけい)部がん手術を年間約50件実施し、全体では年間1000件規模のロボット手術を目指す。








