
医療機関向けキャビネットやカート製造販売のサカセ化学工業(福井・福井市)は6月26日、自律搬送ロボット「PoBOT(ポボ)」を、医療機関向けに2026年から販売開始すると発表した。サブスクリプション(定額料金)で提供する。

「PoBOT」は、大成建設が開発した自律搬送ロボットで、サカセ化学の注射薬カートやコンテナ搬送カートを自動で脱着し、院内を自律走行する。病院内の薬剤部から病棟への薬剤運搬や、手術材料などの搬送に対応する。

大成建設のロボット統合管制プラットホーム「RoboHUB(ロボハブ)」と連携が可能。「RoboHUB」を導入した施設では、ロボット自身のエレベーター乗降や自動ドアの操作、ナースコール・内線電話と連動した出発や到着の通知、異常時のアラート発信などが行える。
既存のサカセ注射薬カートにも対応可能で、カートの高さやキャスターサイズが異なる複数仕様にも連動できる設計を採用。ロボット専用カートではなく、既存のカートを運搬できるため、置き配や置き集荷にも対応が可能で、必要最低限の台数で運用できる。
サカセ化学は、医療機関向けキャビネットやカートを主力商品としており、全国の病院で採用されている。同社では「PoBOT」の提供で、医療現場の人手不足や業務効率化の支援までビジネスのすそ野を広げる。