餃子専門店の「大阪王将」を運営する大阪王将は9月29日、調理用ロボット開発のTechMagic（テックマジック、東京・江東区）の調理ロボット「I-Robo」をテスト導入し、「大阪王将西五反田店」（東京・品川区）を10月1日にリニューアルオープンすると発表した。
導入する「I-Robo」は、大阪王将向けにカスタマイズした調理ロボット。大阪王将の社内調理検定試験制度で調理1級を持つ熟練職人の鍋さばきと変わらないクオリティを安定して提供できるように、加熱温度、加熱時間、鍋の回転スピード、回転方向まで細かく調整し、様々な角度から半年間の研究を経てロボットに完全コピーした。
西五反田店では「I-Robo」を3台設置。約60種類ある定番メニューの中から、定食をメインにまずは約20品の調理を行う。「逸品料理＋炒飯」や「炒め物の逸品料理＋炒め物の逸品料理」といった組み合わせメニューも用意する。
加えて、大阪王将で初となるカスタマイズメニュー「自分盛り炒め」を提供。例えば、「肉野菜炒め」で、顧客が肉や野菜の種類、味付け、ボリュームなどを好みに合わせて選べるようにした。
大阪王将によると、街中華の厨房は、「焼場」「麺場」「揚場」でポジションから構成されており、限られたスペースでなるべくスムーズに早く調理し、でき立ての料理を提供できるよう、ランチなどの繁忙時間帯や定食では、「逸品料理＋白米＋付け合わせの揚げ物」といったセットが主流となっているという。
一方で、「レバニラとチャーハンのセット」や「回鍋肉定食に麻婆豆腐を付け合わせる」といった、中華鍋で調理を行う料理を複数でタイミングをあわせて提供することは難しかった。こうした中、同社では「顧客が食べたいと思っているものを、待たせすることなく提供しする」という考えから、テックマジックと調理ロボットの開発に着手し、今回導入することにした。
今後は、大阪王将の職人育成で検定内容の見直しやレベルの細分化、ロボ調理導入店舗では、アプリと連動し、前回の注文や、味の好み、野菜のカスタマイズなどの顧客情報を記録していく計画。同時にロボットの改良を続けていく考え。
