フードテックマイスター、神戸のレトロ喫茶店がバウムクーヘン製造ロボ導入

Cafe Rest 8番館

ユーハイム子会社のフードテックマイスター(神戸市)は2月26日、AI(人工知能)を使ったバウムクーヘン製造ロボット「THEO(テオ)」を、創作鉄板や喫茶店、飲食事業を展開するサン商事(神戸市)が、「Cafe Rest 8番館」(神戸市)に導入したと発表した。3月4日から販売を開始する。

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導入したバウムクーヘン製造ロボット「THEO」

「テオ」は、ユーハイムが開発した、AIを搭載したバウムクーヘン専用のオーブンロボット。職人が焼く生地の焼き具合を、層ごとに画像センサーで解析し、AIに機械学習させてデータ化することで、無人で職人と同等レベルのバウムクーヘンを焼きあげることができる。

ロボットは、ベテランの菓子職人や、ロボット工学の研究者、AIの専門家、デザイナーなどが協力し、5年がかりで開発した。ユーハイムが神戸市とスイーツの魅力発信を通じた産業振興の事業連携協定を結んだことで、神戸市から特別住民票の交付も受けている。

「Cafe Rest 8番館」は、神戸外国人旧居留地の神港ビルヂング1階にあるレトロな喫茶店。2003年にオープン。平日のランチタイムには近隣のビジネスマンが多く訪れる。

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オリジナルバームクーヘン「きこりのこしかけ」

イートインメニューでバウムクーヘンを販売。店では、12種類のフレーバーを1プレートで楽しむことができるオリジナルバームクーヘン「バウムクーヘンプレート きこりのこしかけ」(税込1500円)などをTHEOで製造して提供する。

同店は、コロナの影響で常連客の外食頻度が減少。従業員の人手不足も重なり、レシピや現場のオペレーションを人でつないでいく限界が来ると危機感を抱いた際に、THEOの記事を偶然見かけ、温かく優しい時間を過ごせる大人も子供も楽しめる喫茶店として、続けていきたいとの思いから導入を決めた。

導入後にはTHEOに興味を持った顧客や従業員同士で自然とコミュニケーションが生まれる効果もあったという。今後はバウムクーヘンのテイクアウト商品なども展開する。