DFAロボティクス、山梨・富士川町役場と自走型AI案内ロボットの実証実験

富士川町役場に設置した、自走型AI案内ロボット「Timo」
富士川町役場に設置した、自走型AI案内ロボット「Timo」

サービスロボット販売のDFA Robotics(DFAロボティクス、東京・渋谷区)は6月19日、公民連携推進機構(東京・港区)と、山梨県の富士川町役場で、自走型AI(人工知能)案内ロボット「Timo(ティモ)」が来庁者を案内する実証実験を6月3日~21日まで実施すると発表した。

「Timo」は、キーワードを学習させることで、音声認識で目的地案内が可能なロボット。実証実験では、庁舎入り口付近に1台を設置した。

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ディスプレー上部には各課のボタンを表示

ロボットのディスプレー上部に役場の各課を表示するボタンを設け、来庁者が押すことで案内を行う。また、ロボットに話しかけると、音声で回答し、ディスプレー下部の吹き出し部分にも回答を表示する。事前に来庁者調査を行い、実際の来庁者の問い合わせ内容に対応できるように会話機能をカスタマイズした。これまでの運用では、ロボットが窓口案内業務を代替し、職員の業務効率改善につながることが分かった。

富士川町役場は、総合窓口を設けておらず、入り口に最も近い会計課が日々の窓口対応を担当している。1日あたりの平均来庁者は80〜100名程度で、窓口には30〜50名ほどが訪れる。一方で、富士川町役場では、窓口案内業務が職員に任せるには業務量が少なく生産性が低いことから、新庁舎の開設時に窓口を撤廃。しかし、ほかの業務を担当している課が案内業務も並行して対応することで、業務効率が落ちるジレンマがあった。

そこで、会員となっている公民連携推進機構がDFAロボティクスのロボットを紹介。同社のロボットソリューションが富士川町の課題解決につながると判断したことから、実証実験を行うことにした。

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来庁者を案内する様子

富士川町役場では「(ロボットは)どこに何の窓口があるか知りたい来庁者のニーズに応えてくれている。職員側でTimoに対して難しい操作や注意が必要なところはなく、スムーズに運用できている。今後は案内機能の応答バリエーションの改善なども取り組んでもらえるということで、さらなる効果に期待している」(政策秘書課の土橋学氏)と話している。

DFAロボティクスでは、人口5万人以下、1日の来庁者が300名以下の規模の役場でも富士川町役場と同様の課題を抱えていると見ており、今後も公民連携推進機構と連携し、ロボットソリューションを解決策として提案するとともに、内閣府などの国の交付金や補助金を活用しコストを抑えて導入できる働きかけを行っていく考え。