三菱電機は11月6日、三菱電機ビルソリューションズ(東京・千代田区)と、経済産業省のロボットフレンドリーな環境構築支援事業の研究開発プロジェクトに参画すると発表した。
参画するのは「リソース管理システムによる複数ロボットの群管理標準化に関する研究」で、通路や交差点などでロボット同士の衝突や対面膠着(こうちゃく)を防ぎ、さまざまなロボットが建物内を円滑に稼働するための群管理方式の妥当性を検証する。
具体的には、ロボットフレンドリーな環境の構築を支援するロボットフレンドリー施設推進機構(RFA)が発行した規格に基づく建物設備との連携に取り組む。また、施設内で人とロボットが安全に共存できる環境の実現に向け、サービスロボットを群管理するためのリソース管理システムの研究開発を行う。
三菱電機は、ロボット群管理全般の実証のサポートを含むロボット群管理開発業務、ロボットとエレベーター、リソース管理連携に必要なインターフェースの提供と実装を担当。三菱電機ビルソリューションズは、ロボット群管理全般の実証のサポートを含むロボット群管理開発支援業務、ロボットとエレベーターの連携システム「Ville-feuille(ヴィルフィーユ)の提供、搬送ロボット「カチャカ」の提供と開発を行う。搬送ロボットは、開発するプリファードロボティクス(東京・千代田区)に再委託する。
経産省の「ロボットフレンドリーな環境構築支援事業」では、ホテル専門のITソリューションを手掛けるタップ(東京・江東区)が、ホテルを含む複合施設やオフィスビル、病院などの施設内で異なるメーカーのロボットがスムーズに稼働する環境構築の取り組みが採択されている。
今回の研究開発プロジェクトは、事業の取り組みの1つとして行われ、三菱電機と三菱電機ビルソリューションズは、タップからの委託事業で参画した。2社は、「Ville-feuille」を活用した、さまざまなロボットが円滑に稼働するための実験をタップの施設「タップホスピタリティラボ沖縄」(沖縄・うるま市)で2026年3月まで実施する。プロジェクトには、NECネッツエスアイ、エフ・シー・シー、沖縄日立、パナソニック ホールディングス、パナソニック、プリファードロボティクスも参加する。
2社は、今回のプロジェクトと実証実験を通じて得た知見を基に、これまで人が実施していたサービスの質を落とすことなく、宿泊者が満足できるホテル業務の従事者とロボットが協働し労働力を軽減や削減するサービスを提供する。また、ホテルにとどまらず、オフィス、病院、商業施設、工場・交通機関などでも、人とロボットが安全に共存できるロボットフレンドリーな環境整備を実現するロボットソリューションを開発する。