
DFAロボティクス(東京・港区)は7月16日、全日本空輸(ANA)が羽田空港と成田空港で運営するラウンジ「ANA SUITE LOUNGE」と「ANA LOUNGE」に下げ膳ロボット「HolaBot(ホラボット)」を導入したと発表した。
2024年6月より実証実験が行われ、安全性や静粛性、操作性などが評価され、国際線ラウンジでの本格導入に至った。
ANAラウンジでは、広大な施設内を台車で往復しながら行う下げ膳業務が、スタッフに大きな負担となっていた。また、ピーク時には洗い場へ食器が集中し、作業負荷が一時的に増大することや、静粛性が求められる空間で台車の走行音も美観を損ねることが課題だった。
ANAでは、この課題に対応するため、羽田空港第2・第3ターミナルと成田空港の国際線ラウンジで「HolaBot」を採用した。2024年6月から実証実験を実施し、安全性や静粛性、操作性などを評価し、今回、国際線のラウンジで本格導入した。
下げ膳の様子
「HolaBot」は静音設計で、走行中の騒音が発生しない構造を採用。さらに、食器が外部から見えにくい仕様で、ラウンジ空間の雰囲気を損ねることなく運用が可能。一定のペースでの食器回収することで、洗い場の作業量の波も平準化された。
HolaBotの導入後、約70名のスタッフを対象に実施したアンケートでは、約70%が「身体的負荷が軽減された」と回答。1日平均255回の下げ膳業務をロボットが代替しており、時給1500円換算で、年間では約684万円の人件費削減効果が見込めるという。
DFAロボティクスでは、今回の空港ラウンジへの正式導入を契機に、今後はホテル、病院、商業施設など、重量物の移動や単調な往復作業が多い現場への展開も進めていく方針。ロボットを活用した業務自動化で、従業員が人にしかできない高付加価値業務へのシフトを支援する。