ABBロボティクスは6月19日、米生体工学企業のPSYONIC(サイオニック、カリフォルニア州)と、人間の義手使用から得られる実世界の操作データを活用したロボットの把持能力と器用さの向上に取り組むと発表した。サイオニックのロボット用ハンド「Ability Hand(アビリティ・ハンド)」と、ABBの協働ロボット「GoFa(ゴーファ)」を組み合わせ、繊細で多様な作業をロボットに学習させる手法を検証する。
協業では、人間が義手を使う際に生成される触覚や動作のデータを活用する。動き、接触、把持力などの実世界データを収集し、不規則な形状の物体や壊れやすい物体を扱う作業など、従来の自動化が難しかった用途への応用を探る。
「Ability Hand」は、もともと義手用途として開発された多関節型のハンド。筋電制御、触覚センサー、柔軟な機構を備え、圧力センサーや振動フィードバックによって、接触、把持力、解放を感知できる。また、柔軟な指を持ち、不規則な形状や変形しやすい物体にも対応する。
ABBの「GoFa」は、把持力や指の位置、動作の細かな変化を一貫して実行・評価できる協働ロボット。協業では人間由来の操作データを、複雑でばらつきのある作業に対応するロボットの動きへ変換するための基盤として活用する。
ABBロボティクスは、把持能力や器用さを、自律型汎用(はんよう)ロボット(AVR)の中核機能と位置付ける。今回の協業を通じて、自動車、航空宇宙、包装・物流、ライフサイエンスなど幅広い産業分野での応用可能性を検証する。
ロボットの器用さは、産業界で大きな課題になっている。ABBロボティクスとサイオニックは、ロボット、AI(人工知能)、人間由来の実世界データを組み合わせることで、フィジカルAIの高度化と、実環境で信頼性が高く動作するロボット開発を目指す。








