JR九州、センシンロボティクスと鉄道施設の維持管理で線路内自律飛行ドローン技術を開発

指宿枕崎線でのドローンの現場検証
指宿枕崎線でのドローンの現場検証

JR九州は6月10日、センシンロボティクス(東京・品川区)と、鉄道施設の維持管理業務の安全性向上や高度化に向け、鉄道特有の環境条件に対応する複数の自律飛行モードを組み合わせたドローン技術を共同で開発・検証したと発表した。

鉄道の線路内には、GNSS(測位衛星システム)を取得できる区間に加え、トンネル、植生が繁茂した区間、踏切部など環境条件が異なる区間が連続して存在する。今回の取り組みでは、こうした環境の違いに対応するため、3種類の自律飛行モードを開発・検証した。

開発したのは、GNSSを活用して高速・高高度で広域を調査する「GNSSモード」、低速・低高度でレールを追従する「レール追従モード」、トンネル内を低速・低高度で飛行する「トンネルモード」。レール追従モードとトンネルモードは、事前の飛行経路設定が不要で、非GNSS環境でも飛行できる。

それぞれのモードは、高性能センサー「LiDAR(ライダー)」による点群取得やAI(人工知能)画像認識などを活用する。両社は、状況に応じて飛行モードを自動的に切り替えることで、1台のドローンによる一気通貫の自律飛行が可能なことを確認した。鉄道施設の維持管理で現地状況把握を補完する手段での活用を見込む。また、気象異常時の安全点検や鉄道構造物の遠隔自律点検などへの応用も想定している。

両社は今後、実用化に向けた技術開発と運用検証に取り組む。また、制度面や運用面、安全性の検討も進める。