スカイディオ、カルタのデジタルツインソフトと3D・点群データ生成で連携

スカイディオのドローン「Skydio 2+」
スカイディオのドローン「Skydio 2+」

米国のドローンメーカーのスカイディオ(カリフォルニア州)の日本法人は5月29日、鉄道を始めとするインフラ業界を中心にデジタルソリューションを提供するカルタ(東京・港区)と、スカイディオのドローンで取得した映像データをカルタのデジタルツインソフトで3D・点群データ生成する技術連携を開始したと発表した。

2社は、スカイディオのドローン「Skydio 2+」と「Skydio X10」をカルタのデジタルツインソフト「TRANCITY(トランシティ)に対応させることで、従来のドローンでは自律飛行が困難だった高架下などの非GNSS(測位衛星システム)環境下でも安定的なドローン飛行を実現。

連携により対象物を確実に撮影しデータ取得を可能にして、デジタルツインの高精度化につなげ、現場の状況把握や施工の進捗管理などの業務効率化に役立ててもらう。

従来のドローン技術では、高架下などの非GNSS環境下での飛行や近接撮影が難しく、撮影データの取得方法が限られていた。スカイディオのドローンはAI(人工知能)を活用した自律飛行技術を搭載し、非GNSS環境でも、特定のラップ率(写真測量で撮影された画像やデータの隣接するエリアが重なりを示す割合)と映像品質を担保しながら、障害物を回避し、自律しながら安定的に飛行することが可能。

そのため、従来のドローンでは困難だった場所のデータ収集と安定的なデータの収集が行え、データをデジタルツインソフトと連携できるようにすることで、高精度なデジタルツインを構築できるという。

一方で、ドローンで撮影した映像データは、機種特有の性質があるため、高精度なデジタルツインを構築するには、機種の特性に合わせたデータの処理が必要不可欠になる。そのため、2社は「Skydio 2+」と「Skydio X10」のカメラ検証と、ドローンの映像データを使用した「TRANCITY」の3D化・点群処理の最適化の機能検証を行った。

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Skydio X10

カメラ検証では、「Skydio2+」「SkydioX10」のカメラで撮影された映像データから、カメラレンズのゆがみや画角などをはじめとする映像特性を解析。

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データ連携のイメージ

一方、「TRANCITY」の3D化・点群処理の最適化では、解析した映像特性を踏まえ、仮想空間での位置座標を算出する技術のアルゴリズムを調整し、スカイディオのドローンで撮影した映像データを最も高品質に3D化・点群処理できるようにプログラムを最適化。その結果、スカイディオの機体で取得した映像データから、「TRANCITY」で最適な3Dと点群データの生成を可能にした。

今後は「Skydio 2+」と「Skydio X10」で取得したデータで、機能検証を進め、7月からの提供を目指すとしている。