JIW、自動航行ドローンで橋梁床板部のオルソ画像撮影と損傷状況の解析を実施

動航行で連続写真の撮影を行うドローン「X10」
動航行で連続写真の撮影を行うドローン「X10」

インフラ点検のジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW、東京・港区)は9月18日、建設コンサルの八千代エンジニヤリング(東京・台東区)、スカイディオ(東京・港区)と、スカイディオのAI(人工知能)搭載のエンタープライズ向け自律飛行ドローン「Skydio X10(X10)」を使用して、GPS(全地球測位システム)が入りにくい橋梁(きょうりょう)下部を、ドローンが自動航行し、床板部のオルソ画像用の写真撮影と、画像を使った損傷状況の調査、解析を多摩市の橋梁で実施したと発表した。

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「X10」で撮影した画像

今回の取り組みでは、多摩市が管理する橋梁で、「X10」と飛行支援ソフト「SKYDIO 3DSCAN」の2DCapture機能を使って、対象の構造物に対し、カメラを真上向きにした状態で、縦方向と横方向のラップ率、構造物までの隔離距離をアプリ上で設定し、自動航行による連続写真の撮影を行った。自動航行では、構造物に対し、1方向だけでなく、クロス方向にも自動で写真撮影ができる設定を使用した。

撮影後、複数社のSfM(Structure from Motion)の解析ソフトで、3次元データ化とオルソ画像の作成を実施。次に、オルソ画像を八千代エンジニヤリングが、AI処理で損傷の図化、ひび割れ幅の検出を実施し、0.1mm未満のひび割れも検出できることを確認した。

ジャパン・インフラ・ウェイマークでは、取り組みを通じて、1m以上隔離した自動飛行の安全性向上、パイロットの操縦スキルに依存しないオルソ画像作成に必要なラップ率を確実に満たす撮影品質と再現性の向上、撮影時間の短縮で生産性向上に成功したとしている。

今回は、広角カメラでドローンの点検業務を実施した。今後は「X10」の各種カメラの対象物の状況や周辺環境に合った最適な活用を検証し、「X10」の現場での活用方法を検討する。同時に技術を活用しながら構造物の維持管理の効率化や高度化を進めるとしている。